国が神奈川県、大磯町と連携して整備を進めている明治記念大磯邸園に関連し、町教育委員会は昨年12月に「旧ホテル滄浪閣 ホール棟」を32件目の町指定有形文化財(建造物)に指定したと発表した。
同園は滄浪閣を中心とした歴史的建物群と周辺の緑地を、2024年度の全面公開を目指して一体的に整備を進めているもの。すでに「滄浪閣(伊藤博文邸宅跡・旧李王家別邸)」は町有形文化財に指定済みだったが、近年の国土交通省の調査で旧李王家別邸時代の建材が現存する範囲などが明らかになり、ホール棟は戦後の建築であることが判明。町は指定範囲と名称を「旧滄浪閣(旧李王家別邸・伊藤博文邸跡)5棟附敷地1筆、杉戸絵4枚」に変更するとともに、除外した「旧ホテル滄浪閣ホール棟」を別途、新たな町の有形文化財に指定した。
ホール棟は、昭和27〜28年の間に駐留軍関係者向けの保養施設として新設されたもの。後に滄浪閣の名を継承した宿泊施設の一部として中華料理店に用いられた。町は「外装にモダニズムの特徴を示す一方で、内装には社交空間らしい落ち着きがあり、建築当初の機能をよく示している。国道1号に面する別荘建築群の中でも象徴的な存在で、松並木と一体となって町の歴史的景観に寄与してきた。竣工から60年以上経過しており、大磯の戦後史を物語る貴重な建物」と評価している。
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