2月14日から放送がスタートしたNHKの大河ドラマ「青天を衝け」。主人公は明治・大正期を代表する実業家で「近代日本経済の父」とも呼ばれる渋沢栄一だ。2024年に刷新される紙幣の一万円札の肖像にも選ばれている渋沢の生涯を、俳優の吉沢亮さんが演じる。明治政界の奥座敷と呼ばれ、多くの名士が訪れた大磯に残る渋沢の足跡について大磯町郷土資料館に話を聞いた。
「渋沢栄一に関わる主な記録は2つ。一つは1873(明治6)年頃に鴫立庵の改修を行った際に金2円を寄付しています。もう一つは1887(明治20)年に建設された旅館兼病院『祷龍館』の会員としてです」(富田三紗子学芸員)。鴫立庵の改修は11世庵主・大澤寿道の頃で、大澤は渋沢と同郷。渋沢栄一伝記資料にも、このことについて「旧友大沢寿道ノ為ニ尽力ス」と記載されている。祷龍館は大磯に海水浴場を開設した初代軍医総監の松本順が友人と共に建設を計画し、自身らの出資金とは別に1口200円で館員(会員)を募り資金を集めた。会員には渋沢のほか安田善次郎や榎本武揚など33人が名を連ねている。会員は無料で一室を借りることができ、病気の時には薬代だけで医師の診療を受けられた。また日本料理や西洋料理を安く食べることもできたという。町長の年俸が45円の時代だったことから、会費がかなりの高額であったことがよくわかる。渋沢は祷龍館を幾度も訪れ、数週間にわたり滞在した時もあった。
今後の展開に期待
14日の第1回放送では、武蔵国血洗島村(現在の埼玉県深谷市)で養蚕と藍玉作りを営む農家に生まれた栄一の幼少期を、子役の小林優仁さんが元気いっぱいに好演した。今後、物語がどのように進行していくかはわからないが、浅野財閥を築いた浅野総一郎ら渋沢と親しい政財界の要人たちが別荘を構え、渋沢自身も何度も足を運んだ大磯が登場する可能性は十分にある。今後の展開に期待が集まる。
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