大磯町の小学生が使用する社会科の副読本をデジタル化したデータを、NPO法人読み継ぐ書物のアクセシブル図書館の沖田克夫理事長=同町在住=が町に寄贈した。4月から全児童に支給されるタブレット端末で副読本の内容を読んだり音声で聞くことができる。
文部科学省は、全国の小中学校の児童・生徒が1人1台の学習用コンピュータ端末で学ぶ環境を整備する「GIGAスクール構想」を推進。大磯町も今年4月からの端末導入に向けて準備を進めてきた。端末の導入により教師が児童・生徒一人ひとりの反応や理解度を把握して対応できるなどの利点のほか、文字の読み書きに困難があるディスレクシアなどの学習障害や、弱視などの視覚障害があることで紙の教科書を読むことが困難な児童・生徒のためにテキストや画像をデジタル化した「マルチメディアデイジー教科書」の活用促進も期待されている。
今回寄贈されたのは、主に大磯町の小学3・4年生が社会科の地域学習の時間に使用する副読本のコンテンツデータ。町の歴史や産業などがまとめられた副読本の内容を、タブレット端末で読み聞きできる。テキストのルビを漢字の習得段階に合わせて変えられるほか、色覚障害に対応して配色も変更可能、音声の読み上げ速度も調整できるなど、使用者に合わせてカスタマイズできる。
3月17日に沖田理事長が町役場を訪れ、データの入ったディスクを中崎久雄町長に手渡した。沖田理事長は「インクルーシブ社会の実現と、子どもたちが電子媒体に触れる機会にして頂ければ」と話し、中崎町長は「子どもたちの学習に役立たせて頂きます」と謝辞を述べ感謝状を贈った。同町では町立小中学校に計2357台のタブレット端末を配備し、各教室に充電保管庫も整備。当面は学習の補助的なツールとして活用していく。
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