聖火リレーのランナーとして大磯区間を走る 後藤 恵一さん 大磯町国府新宿在住 62歳
子どもたちに夢つなぐ
○…少年剣道を指導する中で抱いた「聖火を手に走る後ろ姿を示すことで、子どもたちにオリンピックに関心をもってもらい、その先に夢をつないでほしい」という思いをつづって聖火ランナーに応募した。夢が叶い、出走が目前に迫った今の心境を「手放しで喜んでいいか難しい状況だが、二度とない機会。子どもたちへの思い、これまで自分を支えてくれたたくさんの人たちへの感謝を胸に、一歩一歩踏みしめて走りたい」と語った。
○…横浜市中区出身。阪神ファンの父の影響で、物心ついた頃から野球一筋だった。高校では野球部の主将として夏の県大会へ出場、プロを目指したが、足首の故障で夢が断たれた。「これからどうしようと考えた時に警察官が浮かんだ」。持ち前の正義感を活かした進路選択はぴたりとはまり、39年間奉職。その最後の任地が大磯警察署だった。「警察学校で初めて竹刀を握った」という剣道でも頭角を現し、今では七段の腕前に。在職中から少年剣道を指導するようになり、退職後の現在も続けている。
○…定年後にコミュニティFM「湘南マジックウェイブ」のディレクターとして番組制作に挑戦。地域から様々なゲストを招いて話を聞く「マジックカフェ」を毎週土曜日に放送している。収録から編集まで一人でこなす大変さもあるが「人とのコミュニケーションが好きなので、とても楽しい」と末永く愛される番組を目指す。
○…海や山、街の雰囲気にあこがれ12年前に大磯へ。「人の温かさも良い」とすっかり気に入っている。幼い頃から野球を続ける息子にかつての夢を重ねるが「自分で選んだ道を進んでくれれば」と願う。自身は「生涯剣道」を信条に稽古に励み、毎日のブログ更新と晩酌を欠かさない。