軽架線と林内作業車を使って山林から簡単・安全に間伐材を運び出す方法の実践講習会が、6月5日と6日に中井町で開かれた。県内外から自伐型林業に関心のある30〜50代の男女26人が参加して、画期的な集材・搬出方法について学んだ。
講習会は、大磯町で自伐型林業に取り組む大磯きこりラボラトリー(山中紀幸代表)が主催。高知県からNPO法人土佐の森・救援隊の田植光男さんを講師に招いた。会場は中井町雑色の小澤幸雄さん(86)所有のスギ林で、3カ月前に間伐が行われたが間伐材を市場に出すこともないため、講習会がなければそのまま放置され、土に還るのを待つだけだった。
軽架線集材は、立ち木に架線を張り、滑車とワイヤーでぶら下げた間伐材をウインチで引き上げて一カ所に集める方法。高価な専用器具が不要で間伐材を引きずらずに運べることや、集材用の作業道を通すことができないような山でも安全に搬出作業ができるなどの利点がある。参加者は田植さんから架線の張り方や林内作業車の操作方法などについて説明を受けた後、実際に集材と搬出作業を体験。2日間で約60本を搬出した。福島県只見町から参加した目黒道人さんは「地元の間伐材を活用した経木(薄い木の包装材)の製造販売を考えている。雪深く急峻な山が多いので、軽架線集材を活用できれば」と期待する。
山林所有者の助けに
自伐型林業は、山林所有者や所有者から任された個人・団体が持続的に山林を管理・活用して生業とする林業。高齢化や後継者不足などで山林の管理ができない所有者と、山林を持たないが林業に参入しようとする人をつなぐ新たな形態として近年注目されている。
同ラボラトリーは平日は会社や自営で働き、週末に山へ入って里山を整備し、間伐材やその加工品の流通に取り組む地域グループ。山中さんは「今回の取り組みが、少しでも山林の管理に困っている人や地域の助けにつながれば」と話し、メール(【メール】chicoglilab@gmail.com)や電話(【携帯電話】090・5276・9578)での相談も受け付けているという。
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