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澤田美喜記念館 初のリニューアル 生涯たどり功績伝える

文化

公開:2022年1月7日

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展示資料と武井さん
展示資料と武井さん

 新型コロナの影響で休館していた大磯駅前の澤田美喜記念館が初のリニューアルを行い、1月11日(火)から1年10カ月ぶりに開館する。大磯町唯一の女性名誉町民でもある澤田美喜(1901〜80)が収集した隠れキリシタンの遺物を展示する施設として1988年に開設された同館が、美喜の生涯をたどり、その功績を伝える施設に生まれ変わった。

 リニューアルを主導したのは、昨年5月から同館チーフアドバイザーを務める武井久江さん。大磯の歴史に造詣が深く、同館で5年にわたり案内の手伝いをしていた武井さんは「美喜さんという一人の人間と成し遂げた偉業を伝え、継承していく場所にしたい」と収蔵庫などに残された資料を再調査・整理し、宮崎道忠理事長と日本各地の澤田美喜にゆかりある施設を訪問するなど展示替えの準備を進めてきた。

 三菱財閥を創業した岩崎家に生まれた美喜は、外交官の澤田廉三と結婚して夫の駐在先で奉仕活動などに携わった。戦後は混血孤児を救うため私財を投げうちエリザベス・サンダース・ホームを創設。熱心なクリスチャンでもあり、隠れキリシタンの遺物の収集・保存にも取り組んだ。

 新たな展示では「信仰と奉仕の人・澤田美喜」をテーマに、美喜の生い立ちから結婚、外交官夫人時代やホーム設立後の活動などについて写真や私物、時の首相だった吉田茂が鳥取に隠遁していた廉三を呼び戻すために書いた手紙などの貴重な資料を公開。また隠れキリシタンの遺物も、国内最古級の信仰画や聖母マリアの透かし彫りが入った細川ガラシャのかんざし、高山右近が彫ったマドンナ像、光を当てるとイエス像が投影される魔鏡など約250点を展示。美喜の記録などをまとめたビデオ上映もあり、今後は年2回ペースで展示替えを行うという。武井さんは「大磯でも美喜さんのことを知る人が少なくなっている。遺物だけでなく美喜さんの生涯を紹介することで、興味を持つ人が増えてくれれば」と期待を寄せる。

 開館日は(火)・(金)・(土)の午前10時〜正午と午後1時〜3時。完全予約制。予約は電話(【電話】0463・61・4888)・メール・FAXで受け付ける。詳細は同館ホームページで。

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