江戸時代に東海道の宿場町として賑わった大磯宿の名所を、当時の絵図や道中記、浮世絵などから探る企画展「めぐってみよう! 大磯宿」が、4月23日(土)から大磯町郷土資料館で催される。展示では大磯宿三本陣のひとつで、5年前に島根県松江市所蔵の史料から発見された石井本陣の間取図を初めて公開する。石井本陣については大磯に史料が残されておらず、長年にわたり実態が不明だった。
江戸時代の大磯宿には、参勤交代の大名や公家、公用の幕府役人などが宿泊する「本陣」が3軒あったが、宿泊記録などの史料が残っている小島本陣以外の尾上本陣、石井本陣についてはわからないことが多かった。5年前、同館主催の古文書解読クラブの会員が、松江市の史料編纂課がインターネット上に公開していた所蔵史料紹介の記事に着目。松江藩の家臣が参勤交代で利用する各宿場町の本陣の間取図を記録していた「駅々御本陣御間取絵図」の駅名リストに「大磯」の記載があったことから松江市に問い合わせると、松江藩が定宿としていた石井本陣の間取図が残されていることがわかった。
今回の企画展では、この間取図を新発見資料として写真パネルで紹介。間取図には、松江藩士が衝立の配置などを書き込んだ朱筆の跡も見られる。同館学芸員の富田三紗子さんは「ネットの普及で様々な地域の史料が公開されるようになったことで、ある地域にとって貴重な史料が他の地域から見つかることが増えてくるかもしれない。今後、同じ視点で大磯以外の地域から石井本陣や尾上本陣の資料が発見できるのでは」と期待する。
大磯宿の魅力発見
現代の旅行者と同様に、参勤交代などで移動する大名や当時の旅人にとって、旅の目的地までに通る宿場町の名所を巡ることも楽しみの一つだった。企画展では、西行法師が歌を詠んだ鴫立沢や曽我物語の虎御前ゆかりの名所、浮世絵にも描かれた松並木、大磯の海産物などの当時の大磯宿の魅力を様々な展示資料から紹介する。
企画展は毎週月曜日と6月1日(水)を除く、6月12日(日)まで開催。午前9時から午後5時(入館は4時30分)まで。入館無料。問い合わせは大磯町郷土資料館【電話】0463・61・4700へ。
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