大磯町にある神明神社の鳥居が、地域住民の浄財により20年ぶりに建て替えられた。11月19日に鳥居の奉納奉告祭が催され、氏子や神明町町内会の役員ら約20人の参列者が、新しい鳥居の完成を喜んだ。
同神社は氏子と町内会の役員らで日々の管理や例大祭の運営を行っている。20年前に建てた木製の鳥居が腐食してきたことから、昨年頃から建て替えの計画が持ち上がった。当初は神社補修のための積立金を切り崩す予定だったが、町内に呼びかけて寄付金を募ったところ約200万円の浄財が集まり、建て替え費用の全額を賄えたという。
鳥居は高さ約3・5m。町内の佐野材木店(佐野正恭社長)が制作を請け負った。以前のものと大きさや形状などはそのままに、材木には国産の吉野ヒノキを使用。腐食しやすい柱の根本や笠木を銅板で覆って長持ちするようにしたという。佐野社長は「吉野ヒノキは年輪が詰まっていて木肌が美しく、光沢がある上質な素材。難しい仕事だったが技術の伝承にもつながり、無事完成して一安心」と胸を張る。神明町の中村晃也区長は「佐野さんは『東海道(国道1号)から、よく見える場所に立つ鳥居。材木店の威信にかけて良いものを作りたい』と材木選びから一肌脱いでくれた。おかげで想像以上に良いものができた」と感謝する。
地域住民に感謝
奉納奉告祭には同神社の氏子や中村区長ら神明町町内会の役員、青年団体の神明睦会、子ども会の代表者らが参列。同社の宮司を兼ねる高来神社の渡辺幸臣宮司が祝詞を奏上して祭神に鳥居の完成を奉告し、参列者が玉串奉奠を行った。中村区長は「地域の皆様のお力添えで鳥居を建て替えることができて、うれしい。末永くこの地域を守っていただきたい」と語った。地域住民には、来年1月の例大祭でお披露目する予定という。
同神社は国道1号沿い「大磯駅入口」交差点の近くに鎮座。天照大御神を祭神とし、明治元年の東幸で明治天皇が大磯宿に宿泊した際、乗っていた輿を同神社に安置していたことを伝える記念碑などがある。
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