森鴎外や新渡戸稲造など教科書に載っている人物の手紙を紹介する特別展の第2弾が、二宮町の徳富蘇峰記念館で始まった。文学者や政治家、軍人、才女、芸術家などの各分野から10人を選出して、その書簡を展示。直筆の手紙からは、その人物の人柄や蘇峰との交友関係などを垣間見ることができる。
徳富蘇峰(1863〜1957)は、明治から昭和にかけて活躍したジャーナリスト。『国民新聞』の主宰や『近世日本国民史』を著したことなどで知られ、各界に幅広い交友関係があった。同館ではゆかりある要人や文化人などが蘇峰へ宛てた手紙約4万6千通を保管している。
特別展は、手紙と封筒のコピーに釈文と解説文を添えて頒布している「"書"に親しむシリーズ」が100人に達したことを記念して企画されたもので、昨年1月から12月まで実施した第1弾では新島襄や伊藤博文などの書簡を展示した。
第2弾の今回は、日本海海戦で活躍した軍人の秋山真之や森永製菓創業者の森永太一郎、文藝春秋社を創設した菊池寛などの直筆の手紙を解説文とわかりやすいイラストで紹介、蘇峰による人物評も添えられている。森鴎外が1890(明治23)年に蘇峰に送った手紙には、鴎外が執筆した原稿が国民新聞に掲載されないことに不満を漏らした内容が記されている。
同館学芸員の塩崎信彦さんは「直筆の手紙から、その人物の教科書には載っていない本心や関係性などが見えてくる。ぜひご覧頂き、歴史上の人物にさらに興味をもってもらえれば」と話す。
「教科書で見た‼ あの人が書いた手紙展II」は12月24日(日)まで。午前10時から午後4時まで。月曜日休館(祝日の場合は開館し、翌日休館)。入館料一般500円。問い合わせは同館【電話】0463・71・0266。
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