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大磯町 医療 福祉を生活の延長に 東光院で「暮らしの保健室」

社会

公開:2023年5月12日

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(左から)「暮らしの保健室」を運営する木内さん、岩本さん、古井副住職
(左から)「暮らしの保健室」を運営する木内さん、岩本さん、古井副住職

 東光院(大澤暁空住職・大磯町大磯1525)で毎月2回、誰でも予約なしに無料で健康や介護について専門職に話せる場所「暮らしの保健室・安養」を開催している。第2火曜日と第4土曜日の午前10時〜午後5時。第4土曜日のみ午後5時〜9時の「夜の保健室」も実施。

 暮らしの保健室とは、2011年に訪問看護師の秋山正子さんが都営戸山ハイツ(東京都新宿区)に開設して以来、全国的に広がりを見せている地域に根差した医療、介護支援のかたち。東光院では、合同会社地域包括ケアステーションの木内健太郎代表と、大磯町西部地域包括支援センターの岩本朋子センター長、同寺の古井昇空副住職が中心となり、昨年8月からスタートした。

成果より継続を

 開催の目印は、境内に出されたオレンジ色の立て看板。地域住民を中心に、お昼ごろに来て食事を共にし、おしゃべりして帰る女性や、引っ越してきたばかりでつながりを求めて参加した高齢男性、ふらりと立ち寄った町外の人など、参加者のバックグラウンドは多様だ。木内さんは「90代の女性参加者が大磯の歴史を語ってくれたこともあった。子ども食堂をスタートしたいという思いがある人が来た時には、みんなでアイデアを出し合った」と振り返る。「参加人数は日によってまちまち。今日は暇だねなんて時もある。でもそれでいいんです。集える場所があるということが大切だから」と木内さん。数字の成果よりも、この場所で築く関係性に重きを置く。

 名前についた「安養」は、「心安らかとなり、身が養われる」という意味の仏教用語だ。古井副住職は、「相談する場所だと思うと、どうしても相談する人、される人が分かれてしまい肩に力が入る。ここは気が向いたときに気軽にふらっと寄れて、生活の中で思ったことをつぶやける場所にしたい」と話す。

つぶやきを糸口に

 それぞれが抱える困りごとや心塞ぐ出来事は複雑に絡み合い、解決策を考えようとしてもフローチャートのようにはっきりと分けることは難しい。岩本さんは「ここに来れば医療、福祉専門のスタッフと気軽につながることができる。一緒におしゃべりしたり、ご飯を食べたり、愚痴をこぼしたり、暮らしの一部をつぶやくことから糸口を探せればうれしい」と話していた。(問)同寺【電話】0463・63・0099

オレンジの看板が目印
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