大磯町在住の藤塚松星さん(74)=本名・藤塚洋史さん=が重要無形文化財「竹工芸」の保持者として7月21日、国の文化審議会文化財分科会で追加認定された。同認定は「人間国宝」として知られるもので、大磯町内では唯一の保持者。藤塚さんは認定の報せを受け「私なんかでいいのかなと思った」と驚きと喜びをにじませる。
藤塚さんは1949年、北海道雨竜郡深川町(現 北海道深川市)で生まれた。大磯小、大磯中、大磯高校を卒業し、天文に関わる企業に就職。72年に退社後、竹工芸作家の馬場松堂氏=本名・助治さん=に師事し、基本的な竹工芸の技法を学んだ。
幅広い技法のある竹工芸の中でも、藤塚さんは竹ひごを並べつないで各部分を組み合わせる技法や、網代編みなどの技法を得意とする。
ひごの持つ色彩を生かし、装飾的効果を高めるほか、器物などの作品に立体感を持たせるのが藤塚さんの技法の特徴。天体や自然を主題とした現代的な作品が「竹工芸に新たな可能性を示した」と高く評価された。
地元の小中学生を対象にした天体観測やお囃子指導、竹工芸のワークショップなど地域に向けた活動を行ってきた藤塚さん。「新しい作品を作るのと並行して、地域の子どもたちに対しても還元していきたい」と話していた。
人間国宝の認定を受け、7月23日には池田東一郎町長が藤塚さんを訪問。町民の快挙を祝った。
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