絵本『ぎょうざが いなくなり さがしています』を8月31日に刊行した 玉田 美知子さん 大磯町大磯在住 46歳
身近な発見を絵本に
○...いなくなったぎょうざの行方を主人公が想像するという独創的な内容をやさしい絵柄で描き上げた『ぎょうざが いなくなり さがしています』が昨年、第43回講談社絵本新人賞を受賞。8月31日に刊行され、全国の書店に並ぶ。「今でも賞をいただいたことが信じられない。本当に感慨深いです」としみじみ。物語のアイデアは「防災無線」。「尋ね人の放送が流れるといつも心配になり、どんな人なのか想像していた」と日常で感じたことをヒントに創作を続ける。
○...茨城県出身。幼少期に読んだ絵本の結末が悲しく幼心に深く衝撃を受けたことが創作の原点。「絵本を通して新しい景色や感情をたくさん学んだ」。中学生の時にはすでに絵本作家を志し、多摩美術大学立体デザイン専攻に進学。海と山が同居する大磯に憧れ、15年前に藤沢から移り住んだ。子育てが一段落した4年前に絵本作家のスクールに通い始め、プロの作家や編集者から刺激を受け、忙しく充実した日々を送る。
○...絵本作家と両立してコーヒー豆の定期配送便の店を夫婦で運営している。今は版画に興味津々。美術館に足を運んでは新しいものを見たり、ゆったりと落ち着いて過ごす時間を大切にしている。音楽も好きで家族でバンドを結成し、発表会にも参加した。「色々やりたいことが多くて」と新しい発見を楽しむ。
○...絵本づくりでは「読んだ人が読む前と比べて物語の見方が変わる」ような発見を込めている。「想像する楽しさや、自分とは遠い国や人に思いをはせる大切さを知ってもらえたら」。将来の夢は絵本を作り続けることと、コーヒーの生産地に赴き現地の様子などをレポートすることだと優しい笑顔で話した。