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東光院 多世代食堂「おむすび」始動 「食卓」を地域に広げる

コミュニティ社会

公開:2023年9月29日

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壁を抜いた明るいスペース
壁を抜いた明るいスペース

 大磯町の東光院(大澤曉空住職・大磯1525)が、誰もが利用できる多世代食堂「おむすび」をこのほど開設した。同寺の古井昇空副住職は、「普段の生活で頼りにできる場所にしたかった」と話し、夕飯は週4日、昼食は週2日ほど提供予定。

 「おむすび」があるのは東光院の隣、10年ほど前に一人暮らししていた高齢男性が亡くなって以来、空き家になっていた一軒家だ。男性は同寺の檀家でもあり、神輿などの地域行事にも積極的に参加する人柄で、「にぎやかなのが好きな方だったので、地域の人が集うのを喜んでくれていたらうれしい」と古井さん。男性の家族も活動に賛同してくれ、ほぼ無償で借りている。

 「結婚していても子どもがいても、亡くなるタイミングはそれぞれ。最期はみんな一人になる可能性がある」と古井さん。同寺の周辺地域だけでも、独居の高齢者が増えてきているのを肌で感じているという。「一人きりでは食事を作る気にならなくて適当に済ませてしまうという声もよく聞く。孤食から『縁食』へ、家庭の食卓を地域の中に拡張していくイメージで、『誰か』と食卓を囲む時間を作りたい」と話す。

 同寺では本を借りられるフリースペースを本堂の地下で運営するなど、地域の居場所作りを続けてきた。空き家を食堂として活用するため、壁を塗ったり、もともとあった椅子の張替えをしたり、テーブルを組み立てたりする作業は、普段フリースペースを活用している子どもたちが夏休み中に担ってくれた。

 食材には地元農家がわけてくれた野菜や、古井さんが週2日定置網の手伝いをしていることでもらってくる市場に出回らない魚などを使用。食材の提供などが増えてくれば、フードバンクのように食材を提供する動きも検討している。

 業務用の広いキッチンは、高齢者向けの宅配弁当事業を始めるため、拠点を探していたという町民も利用する。古井さんは「一人になっても家族の代わりのように、お互いが支え合えるつながりを作りたい。いろんな人に利用してもらえれば」と話していた。食事を提供している日程などは同寺ホームページから確認を。

業務用の広いキッチン
業務用の広いキッチン

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