ブラジルとの国際交流団体「NIELA」の会長を務める 山岸 正之さん 二宮町緑が丘在住 88歳
「地球の裏側」と長寿で交流
○…世界第3位の長寿の村として知られるブラジルのヴェラノポリスと「長寿の里」である二宮町との国際交流を進めている。小中学生同士の文通を始めて10年目。今年は集まった31通を現地の生徒に渡す予定だ。「参加した子どもが後に思い出して、ブラジルに興味を持つきっかけになればうれしい」と継続している。過去に取り組んだ児童からは「もっとやりたかった」との声ももらったという。
○…娘むこの仕事と関係があり興味があったヴェラノポリスに初めて訪れた際に、当時人口約3万人という村の規模や長寿という特徴など、二宮との親近感を感じ、交流を決意。「二宮は小さな町だからこそ新たな取り組みを始める余地がある。『長寿』を切り口に国際面からまちの発展に貢献したい」と、2008年に現団体を設立した。「NIELA」のLはポルトガル語の「Longevidade(長寿)」が由来だ。
○…中央大学で法律を学び、卒業後は大手生命保険会社のシステム部門で開発やOA化に携わった。再就職がきっかけで61歳の時に二宮に移住。その後町役場の企画室に勤め、町内のボランティア団体と関わった。在職時の経験を生かし、PC教室のサポートなどを行うITクラブを立ち上げたことも。
○…現在、ネイティブの講師を招き、ポルトガル語の講座も毎月行っている。80代の人も訪れ、高齢者の外出機会となっている。将来は「年齢問わず誰でも集える場所にしたい」と展望も。今年で米寿を迎えた。「今日行(きょういく)、今日用(きょうよう)」が大事だという。「やりたいことや目標を持つことが生きがいにつながっている」。現役で活躍するその姿はまさに「長寿の里」を体現している。