大磯町国府本郷の六所神社(柳田直継宮司)で12月5日、大しめ縄の掛け替えが5年ぶりに行われた。大しめ縄は同社の御祭神にゆかりのある出雲式の大黒締めで、重量約250kg、長さは約4・3m。
同社にまつられている櫛稲田姫命(くしいなだひめのみこと)と素戔嗚尊(すさのおのみこと)、大国主命(おおくにぬしのみこと)が、出雲国(島根県)と縁があることから、同社は大しめ縄の製作を、出雲大社の大しめ縄も手がける「大しめ縄創作館」(同県飯石郡飯南町)に依頼。当日は職人2人が大しめ縄をトラックに積み込み、一晩かけて島根から大磯へと訪れた。
六所神社では同じ祭神の櫛稲田姫命をまつる八重垣神社(島根県松江市)にならい、30年ほど前から本殿に大しめ縄を飾るようになった。5年ごとに新調しており、今回の大しめ縄は7代目。
出雲式の大黒締めと呼ばれる独自の技法で作られており、真ん中の縄が太いのが特徴。同社の大しめ縄は一番太いところで直径約60cmほどだという。しめ縄から垂れ下がる2つの「〆の子」(しめのこ)という部分の断面には、厄除けの意味を込めて稲わらの青い部分で表現した円の模様がある。模様は時間の経過とともに薄くなるという。
同館職人2人のほか、同社の神職、神社総代などが参加。手作業で6代目大しめ縄の取り外しを行った後、青々とした7代目の大しめ縄を取り付けた。掛け替え後、柳田宮司による清祓の神事が行われた。
柳田宮司は「約2千年前に、柳田一族が出雲から大磯に引っ越してきたのが神社の始まり」と話す。「たくさんの方が神社を訪れる初詣の前に無事に掛け替えることができた。色が抜けてしまう前に、青々としたしめ縄をたくさんの方に見てほしい」と目を細めた。
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