二宮町百合が丘在住の服部憲一さん(77)の木彫作品が、国内最大級の美術展「第10回日展」に入選した。作品は11月3日〜26日まで国立新美術館に展示された。服部さんは59歳から独学で彫刻を始め、現在は桒山(くわやま)賀行(がこう)氏に師事している。
入選作品は、服部さんが自身の顔を写実的に彫り上げた『自刻像』。首から上の限定された部分でありながらも、鼻筋や額の丸み、頬の凹凸、髪の毛の質感などが力強い彫刻で表現されている。制作期間は約10ヶ月。高さは40cm、幅は25cmほど。
服部さんが彫刻を始めたきっかけは、59歳の時に挑戦したバードカービングだ。木片に野鳥を彫り出すもので、本物そっくりな出来栄えは家族からも大好評だった。彫刻の魅力に気づき、寺院で開催されている仏像彫刻の教室にも通うほどのめり込んでいった。
「芯の強さ」表現
15年ほど前に、彫刻家の桒山賀行さん(藤沢在住)に師事し、仏像のほか、孫や動物をモデルにした作品を制作。日展への出品を勧めてくれたのも桒山さんだった。
桒山さんは服部さんの入選作品について「首だけで入選するのは難しい。木彫の良さ、木の持っている力を十分表現できた。制作者の芯の強さも伝えることができた」と講評する。
普段は寡黙なタイプという服部さんだが、日展入選の知らせには、自然と顔がほころんだ。「あんなにうれしそうな顔は初めて見た」と周りに言われるほどだといい、「喜寿の記念に、今までコツコツやってきたことのご褒美をもらった」と喜んだ。
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