意見広告・議会報告
県政報告さと通信No.13 施設から地域へ、中井やまゆり園の今 神奈川県議会議員 吉川さとし
神奈川県議会・共生社会推進特別委員会で中井やまゆり園と秦野市の地域活動拠点「らっかせい」を視察しました。中井やまゆり園は、県内に9か所ある県立障害者支援施設のひとつで、強度行動障害対策に特化した中核施設として役割を担っています。しかし令和4年に施設における長時間の居室施錠や虐待が疑われる事案など計25件の不適切な支援が明らかとなり検証を行った外部有識者等からは、施設規模が定員100名を超す大規模施設であるため管理的で閉鎖的な支援に陥りやすいといった指摘がありました。こうした指摘を受け、これまでは民間では対応が困難な障害者を受入れるという県立施設の役割を見直し、生涯を施設の中で過ごすのではなく可能な限り地域社会で暮らせるように「施設から地域へ」を目指し、県は支援改革に取り組んでいます。
地域との接点を視察
今回の視察の目的は、県が取り組む支援改革の現状を実際に見ることにありました。まず伺ったのは秦野市にある地域拠点施設「らっかせい」です。この施設は、これまで中井やまゆり園の園内だけで生活が完結していた利用者の生活の幅を広げるために令和4年10月に開設され、視察当日はやまゆり園から通う5名の利用者さんが朝9時から作業をされていました。作業内容は、手帳の解体・分別・牛乳パックの解体・紙をちぎるなど一人一人の障害特性や得手不得手に合わせ、休憩や昼食をはさんで行われています。天気の良い日には周辺への散歩や花壇の手入れ、公園の清掃など地域との関わりを持てる取り組みも積極的に取り入れています。これまで中井やまゆり園から出たことがなかった利用者さんが地域社会に触れる貴重な場となっていると感じました。
次に、中井やまゆり園の施設内を実際に見学し、園長をはじめ民間の支援改善アドバイザーから話を伺いました。終の棲家から通過型施設へと県立施設としての在り方の方向転換をしたばかりで課題も多く、まだまだ支援改革も道半ばです。職員の人権意識の向上について取り組んでいるとの話を聞き、施設職員だけでなく社会全体の人権意識を向上させることの重要性を痛感しました。
今回の視察は、中井やまゆり園における現場の取り組みや課題を知る貴重な機会となりました。県議会としては令和5年4月に施行した「当事者目線の障害福祉推進条例」が目指す共生社会が実現するよう、県立の障害者支援施設が果たすべき役割も含め議論を深めて参ります。
■吉川さとし【携帯電話】090・9794・4406
吉川 諭
satoshi1982yoshikawa@gmail.com
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希望と安心のまちづくりへ3月29日 |
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