二宮町在住の橘川順一さん(75)が、小説作品『日常性に生きていない 介護福祉士の女』を3月20日に蒼天社=二宮町山西=から出版した。
主人公は介護福祉士として働く27歳の女性。橘川さんは「よく新聞記事などで、介護現場で起きた事件などを目にする。わがままで頑固なおじいさんと一生懸命な女の子が心を通わせていく過程を描きたかった」と話す。
「母を早くに亡くし、父は90歳まで元気に生きてピンピンコロリ。介護経験はなく、新聞記事や介護業界のことを紹介した文献などを参考に構想を広げていった」と橘川さん。執筆する部屋には、書籍などの資料のほか、メモに走り書きした原稿の束がある。50年にわたり印刷業界に身を置いていた橘川さんは、「データづくりはできる。きれいにみえる行間や余白があるんです」と刷り上がった著書を前に微笑む。油絵も趣味で、表紙も自ら描いている。
橘川さんが小説を書き始めたのは50歳のとき。「このままでは、僕の人生何も残らない」と考えた末、大学時代に推理小説を研究していたことから、小説を書き始めた。ストーリーを練るには「雑学が必要」と話し、主に新書をたくさん読み、新たな知識を蓄える。「新聞の人生相談がヒントになることも多い。何気ない人と人との関係の変化を書いていきたい」と話していた。
書籍は本文240頁、蒼天社発行。本体価格1000円。購入希望者は同社【電話】0463・72・6601。
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