大磯 中学生が地下道に描画 子ども議会の提案実現
大磯町は12月2日、東小磯の地下道「ゆめのちかみち(東小磯23号線)」の壁画塗装を実施した。同町職員のほか、大磯中学校・国府中学校の美術部員と有志の生徒24人、教諭らが筆を握り、壁面を鮮やかに彩った。
大磯の海をペンキで表現
地下道の通路を挟んで片面を大磯中、もう一面を国府中が担当し、それぞれ縦2メートル・横18メートルをペンキで塗装。「私たちの大磯」をテーマに、薄暗い雰囲気の漂う地下道を明るく甦らせた。
大磯中の塗装面には、クラゲやタコをモチーフにした海洋生物のキャラクターや女子中学生を描写。中心となってデザインした美術部2年・小河彩乃さんは、「大磯の海に、考え事をする中学生の姿を盛り込んだ」。一方の国府中は、「部員からの意見が多かった」(美術部2年・常松栞奈(かんな)さん)という同町観光キャラクターの「いそべぇ」「あおみ」を魚などとともに描いた。
小・中学生の通学路にもなる「ゆめのちかみち」は壁面の一部がはがれ、ひび割れを起こしていた。竣工時に描かれた絵も色落ちし、通行人からは「薄気味悪い」といった声があがっていた。そして今回、補修に加え竣工から約40年ぶりに塗装を施した。
生徒の提言が初の予算化
壁面を一新するきっかけとなったのは、昨年10月の子ども議会。中学生が1日議員となり町政に提言する場で、現在大磯中3年の秋谷明日生(あすみ)さんや石井美波さんらのグループが、地下道の塗装を提案した。これを受けて大磯町は、今年3月の定例会を経て事業費390万円を予算化。子ども議会の提案が施策に反映された初のケースとなった。
自らの提案が実現した2人は、ペンキ塗りに有志として参加。「作業中に通りかかった人から『明るくなって楽しい』と言われて嬉しかった」と秋谷さん。石井さんは、「成果を形として見ることができよかった」と笑顔をのぞかせた。
今後、残り一部の塗装と劣化防止のためのコーティングを行い、今月中旬に完成する予定だ。
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