星槎グループの学校法人国際学園は、大磯町と二宮町、中井町向けのコミュニティーFM「湘南マジックウェイブ」(85・6MHz)を4月23日に開局する。学生と町民ボランティアが番組制作に携わり、若者や地元ならではの感覚を生かした話題を提供。災害時の情報発信も担い、地域に根差した放送局を目指す。
同学園は昨年2月に総務省への開局申請を行い、今月に入って放送免許を交付された。学校法人の放送免許取得は、民間初のFM放送局として1960年に「FM東海」(現TOKYO FM)を立ち上げた東海大学に続き2例目という。
聴取世帯は大磯、二宮、中井町の約2万7千世帯・6万9200人。3町では、行政間でも災害時の相互応援や公共施設の相互利用に関する協定などで連携を図っていることから、「1市区町村1波」が原則のコミュニティーFMでは珍しい複数の自治体をエリアとした放送網を敷いた。
スタジオは、星槎湘南大磯キャンパス=大磯町国府本郷=に設置。収録をはじめ、街頭インタビューや町なかでの取材を通して「生の情報」を届けるのは、公募で集まった小学生から大学生、町民など総勢約50人のボランティアだ。昨年12月から研修を重ね、準備を進めてきた。
番組は、メディアの仕事などに興味を持つ30人以上の大学生が中心となって企画した。平日朝の生放送番組「SEISAモーニング」では、3町の保育園と幼稚園、学校の様子について先生の声を交えながら紹介。作品展や近隣のアートカフェといった情報を扱う「ラジオ・デ・アート」や、本、映画、アニメソング、アイドルなど、それぞれの学生が得意分野を生かした番組も充実させた。
文教大学情報学部3年の桑原翔さんは、藤沢市のコミュニティーFM「レディオ湘南」で活動する経験を生かして学生をまとめる。「『いい子ちゃんたちの放送』で終わらせず、学生ならではの思い切りの良さを大切にしたい。開局後は取材などの外回りが中心となるので、ぜひ声をかけてもらえたら」と話す。
小中学生ボランティアは、日頃感じている疑問を大人の力を借りながら解決していく番組を担当。同学園の増田明雄さんは「子どもたちが取材を通して外に出て大人とふれあうなかで、住んでいる町をもっと好きになってもらうきっかけになれば」と期待する。
地域に密着したFM放送局の強みを生かし、日ごろから防災・防犯に関するお知らせを提供することで安心安全なまちづくりも呼びかける。東日本大震災や熊本地震発生時は、ラジオが被災者の情報収集に大きな役割を果たした教訓から、行政と連携して災害時の緊急放送に対応するという。
開局初日は正午から9時間の生放送を行う。学生による開局PR企画や落語、子どもコーラス、芸能人などから寄せられた開局祝いのメッセージなどを紹介する予定。
問い合わせは同学園【電話】0463・71・6046。
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