大磯町高麗にアトリエを構え、花鳥や四季の風景、自然の中の命などをモチーフに創作活動を続けた日本画家の堀文子さんが2月5日に死去した。100歳だった。
堀さんは東京生まれ。女子美術専門学校(現・女子美術大学)に学び、上村松園賞を受賞した。87年まで多摩美術大学教授を務めた後、イタリアと日本を行き来して精力的に作品を送り出した。アマゾン川やメキシコのマヤ遺跡、ペルーを取材に訪れ、80歳を過ぎてからヒマラヤの高地を歩き、代表作「幻の花 ブルーポピー」を発表した。
画業以外にも、『ホルトの木の下で』『堀文子の言葉 ひとりで生きる』など著作が多いことでも知られる。大磯町指定史跡名勝天然記念物で、樹齢300年以上といわれるホルトノキが伐採の危機に陥ると、樹木を土地ごと買い取った。JR大磯駅前に建つ「湘南発祥の地」の石碑の文字は堀さんの書。「群れない、慣れない、頼らない」をモットーとして貫いた。
本紙では、1987年に神奈川文化賞を受賞した堀さんを「人物風土記」で紹介した。当時の編集長で、堀さんにインタビューしたタウンニュース社OBの壁島義明さんは「気難しい芸術家と想像し緊張の取材だったが、とても気さくな人柄が嬉しかった。取材がひと区切りするとビールとおつまみを用意して頂き、まったりとした時間を過ごせたことは望外の喜びでした」と思い出を語った。
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