大磯町在住のイラストレーター・オダギリ ミホさん=人物風土記で紹介=が制作した「大磯丘陵里山歩きマップ」が公開され、町の広報誌「広報おおいそ」4月号と一緒に町内に全戸配布された。オダギリさんが実際に里山を歩いて発見したものや感じたこと、町の学芸員に聞いたり史料をひもといて調べた歴史や言い伝えなどが盛り込まれている。
マップはA3版両面のフルカラー。「谷戸川エリア編」と「運動公園エリア編」があり、それぞれのエリアの散策ルートやスポット、寺社や遺跡、地域に伝わる伝承の概要などが書き込まれている。反対面はエリア共通で「ごみは持ち帰る」「地域の方に感謝の気持ちで通行する」などの里山歩き4か条、野生動物に遭遇した際の対応やマダニやマムシなどに咬まれた場合の対処法、見つけたものをチェックしながら楽しく散策できる「里山ビンゴ」などが掲載されている。
きっかけはコロナ禍
マップ制作のきっかけは昨年の春、新型コロナウイルスの影響でリモートワークになった夫が、運動不足解消のために早朝の里山歩きを始めたこと。散策先で撮られた写真に興味を引かれて一緒に出掛けるようになり、その日歩いたルートや目にしたものなどをイラスト化して地図に落とすようになった。土日など時間のある時に、夫婦で楽しみながら散策ルートを拡大。ジブリ映画に出て来そうな緑のトンネル、大蛇のような木など印象に残ったものや、「気持ちいい道」「空が広い」など散策中に自身が感じたことなども盛り込みながら、こつこつとマップを充実させていった。歴史や伝承などについては郷土資料館の学芸員や寺の僧侶などからも話を聞き、資料を借りるため図書館にも通い詰めた。可愛らしいビンゴのイラストは、娘やその友人が描いたものをベースにしているという。
完成後は友人などに配ろうと思っていたが、その出来栄えが、大磯町の持続的な地方創生などに取り組む「大磯地方創生事業推進コンソーシアム」の目に留まり、印刷して町民に全戸配布するまでに話が進んだ。「長く住んでいても、町について知らないことは多い。マップを手に親子で身近な里山を実際に歩いて魅力を再発見し、大磯に住んで良かったと思ってもらえれば」と願う。
里山再生にも期待
マップへの期待はもう一つ。里山を散策することで自身が気付いたことでもある。「緑豊かな大磯だが、このまま里山に人の手が入らなければ荒廃が進み、身近な存在でなくなってしまう。マップをきっかけに里山を歩く人が、森林の荒廃や不法投棄などの問題にも気づいてもらえれば」とオダギリさん。今はもう使われていない里山の山道を再開通させる活動にも取り組んでいくという。
里山歩きマップに関する問い合わせは大磯町都市計画課【電話】0463・61・4100へ。
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