鎌倉時代の敵討ち『曽我物語』に登場する虎御前ゆかりの霊石「虎御石」をまつる大磯町の延台寺(中島源吾住職・大磯1054)で5月28日(日)、虎御石まつりが開催される。同寺境内の法虎庵曽我堂の特別開帳のほか、剣道大会も開催する。午後1時〜4時。
虎御石に触ることで安産や厄除け、大願成就にご利益があるとされていたことから、コロナ禍の3年間は感染拡大防止のため延期となっていた同まつり。中島住職は、まつりを取り仕切るスタッフの高齢化などから「3年間のブランクを経て、継承していくことが難しくなってきたと感じる。文化をつないでいくためにも、開催に踏み切った」と話す。
今回のご開帳でも引き続き、新型コロナの影響を鑑みて、虎御石に触るのではなく「手をかざす」お参りを同寺では呼びかけている。
仇討ちの裏に悲恋
虎御前は山下長者の娘。子宝に恵まれなかった夫婦が虎池弁財天に願を掛けると、小さな石を授かり、女児が生まれて虎と名づけた。石は虎女とともに大きくなった。後に虎御前が曽我十郎と恋仲となり、十郎が虎御前を訪ねたところを、仇討ち相手の工藤祐経の刺客に襲われ、この石が身代わりとなって助けたという。石には弓矢が刺さったような跡と、刀傷のような割れ目がある。
仇討ちを遂げた兄弟亡き後、虎御前は19歳で出家。延台寺のはじまりとなる庵を結び、兄弟の菩提を弔ったという。
同寺にある法虎庵曽我堂には、「虎御石」のほか、曽我兄弟座像、虎御前剃髪之像などを安置。境内に虎池弁財天の碑や虎御前が十郎との恋の成就を祈願したといわれる龍神、虎女供養塔、大磯宿遊女の墓なども残されている。
中島住職は「しばらくお目にかかる機会がなかった。触ることはできませんが、十分にお参りしていただきたい」と話していた。
同まつりは、曽我兄弟が仇討ちを果たしたのが旧暦の5月28日だったことにちなみ、5月の第4日曜日に毎年開催されている。
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