2014年の開花を最後に咲かなくなってしまっていた大磯町生沢の「東の池」のハスを、18年のかいぼり以来、毎日見守っている町民がいる。大磯町西部地区「特別警戒」パトロール隊の田中道夫さん(72)は、パトロールの一環として1日に数度、東の池周辺を見回り、ポイ捨てやハスの持ち去り、外来魚を放すなどの迷惑行為に目を光らせる。
生まれも育ちも西小磯の田中さん。小さい頃は「東の池」でフナを釣って遊んだと懐かしむ。いつしか外来生物のすみかとなった池を生沢東水利組合など関係者がかいぼりしたのが2018年。田中さんが所属するパトロール隊では、その翌年から東の池のハスの見守りと清掃を開始した。
これまで田中さんが遭遇してきたのは、河口湖や山中湖で釣ってきたブラックバス、ライギョなどの外来種を東の池に放す人や、ごみを捨てていく人。「これでは何のためにかいぼりしたのかわからなくなってしまう」と、仲間とともに見守りを始めた。
今年、数年ぶりに池を埋め尽くすようにハスが咲いてからも、ハスを根ごと持ち去ってしまう人がいるなどしたため、見守りは継続。早朝に近隣民家にトイレを貸してほしいと訪問する人もいたといい、地元議員に相談して仮設トイレも設置した。田中さんは「せっかく咲いたのだから、マナーを守って楽しんで」と呼び掛ける。見頃は8月中旬まで続く見込み。
まだハスが咲く前、透き通った水の中で細かく根を張る様子に「今年は絶対きれいに咲くよ」と、喜び合った佐々木茂さん(79)=生沢=が今月上旬に心筋梗塞で急逝。黙々と作業にあたり、ゴミひとつ残さないほどの働きぶりだったといい、田中さんは「佐々木さんには感謝してもしきれない。ハスを見に来てくれる人たちに、佐々木さんという存在があったことを知って欲しい」と話していた。
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