大磯特産の大玉柿が収穫期を迎えている。町内の農園では橙色のずっしりと実った果実が枝をたわませる。甘みが強く高品質の大玉柿は生産量に限りがあることから、市場には出回らず、生産農家の直売や宅配で購入できる。大磯町落葉果樹研究会の鈴木教夫会長は、「例年以上の出来になるように頑張りました」と話す。
その名の通り、通常の柿が約200グラム程度なのに比べて、350グラムから500グラムに育てて収穫する。一つの実に養分を集中させるために、摘蕾(てきらい)や摘果の作業を繰り返し行う。また、肥料にも気を配り、有機肥料を中心に使った。こうした工夫を重ね、通常より大きく、甘みの強い実に育てた。大磯では40年以上前に生産が始まった。少量でも品質にこだわったものをつくろうと、県の園芸試験場(現在の県農業技術センター)とともに生産者たちが研究を重ねてきた。
約30年にわたり大玉柿の生産を続けている鈴木さんによると、今年は夏の暑さで実が日焼けするなど、例年通りの水準に育てることに苦労したという。
人手不足が課題
鈴木会長の農園では大玉柿を10種類ほどを栽培している。現在は、とろけるような柔らかさと鮮やかな橙色の表面が特徴の「富有」を生産。販売は11月末頃まで。
生産農家の庭先販売や宅配のほか、11月23日(木)にJA湘南大磯支店で開催する大磯ふれあい農産物まつりでも販売する予定。生産農家の連絡先は町のホームページで確認できる。
最盛期には20件近くの農家が栽培していたが、担い手不足で最近の生産農家は10件ほどだという。「農家の中でも柿をやりたいという人は少ないと感じる。柿に興味のある人がいれば、ぜひ来てほしい」と鈴木会長は話した。
大磯・二宮・中井版のトップニュース最新6件
|
|
|
|
|
|