女子サッカーのアマチュア最高峰「なでしこリーグ」の2部に2024年シーズンから参入しているSEISA OSA レイア。多くの選手が、学業や仕事を両立させながら、競技に打ち込んでいる。チーム最年長の塩野海風(みふう)さん(26)は、「大磯井上かまぼこ店」(井上寧代表)に勤務して7年目。店頭で接客などに従事している。「なるべくお客様と会話するように心がけています。歩いてきている人や大きな荷物の人には、どこに行くんですかと声をかけたり。バイトもしたことがないので、お給料を初めてもらったときはうれしかった」とはにかむ。
星槎高校出身。卒業後の進路を考える際に、サッカーを前提に働くことができる企業を探していたところ、出会ったのが「大磯井上かまぼこ店」だった。当時、同店では新卒採用を行っておらず、井上代表は「選手を預かるということで、大変な覚悟が必要だった」と振り返る。
サッカー好きでもあった井上代表は「せっかく強いチームが地域にある。地元企業で支えていくことも責務だ」と採用を決意した。定款を書き直し、「短時間正社員」という雇用形態を導入。練習がある日には早めに退勤できるようにするなど、柔軟な働き方で塩野さんを支える。
ピッチではフォワードを担う塩野さん。「今まではゴールへのアシストをする側でしたが、最近はより積極的に自分でゴールを狙うようになりました」と話す。店頭で勤務するときに経験するさまざまな世代のスタッフとの関わりや、予想できない接客、臨機応変な指示出しなどの場面で成長を実感しているといい、「積極性」という形でサッカーのプレーにも表れ始めている。「井上社長も、もっと自信を持って中心的に店を回していいと言ってくれる。プレーヤーとしても、働く人としても、がんばりたい」と笑顔を見せる。
井上代表は「塩、海、風の漢字が入った名前を見て、かまぼこ屋との縁を感じた。雇ってよかったと思う。一番うれしいのは試合に勝ってもらい、点をとってもらうこと。仕事を通じて、本業のサッカーでの活躍をサポートしていきたい。そして、こんな企業が増えるとうれしい」と話していた。塩野さんは、「監督が二人いるみたい。得点王を取ります」と意気込んでいた。
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