4月から神奈川県平塚看護大学校の校長に就任した 佐藤 裕季子さん 平塚市在勤 56歳
家庭と仕事 バランス大切
○…看護師国家試験合格率が3年連続で100%という平塚看護大学校。2017年に全国でも数少ない4年制の看護師基礎教育をスタートし、7年目を迎えた。「近年、患者の背景が多様となり、柔軟に対応できる看護師が求められるようになった」。赴任して間もないが、学生を大切に育てる同校の方針に共感する。「元気で明るく素直な学生が多いので、力をもらえる。育成の場に携われることに感謝し、後進の指導に努めたい」と前を向く。
○…北海道出身。青森の看護学校に進み、看護師と助産師の資格を取得した。学生時代に1冊の本と出合い、その舞台となった淀川キリスト教病院へ入職。「戦場のように忙しかったけど、働き甲斐があった」と振り返る。縁あって1994年に神奈川県立こども医療センターの母性病棟へ。「助産師は家族がスタートを切る大切な場面に立ち会う。ありのままの患者家族に寄り添うことを大切に貴重な17年間を過ごした」と目を細める。
○…27歳で結婚し、3人の娘をもうけた。出産後の4月に復職し、月8回ほどの夜勤もこなした。仕事と子育てに追われる日々だったが、「平日休みを取って子どもの行事にも参加できた。思い返すと活気があって楽しかった」と懐かしむ。看護師はハードな仕事というイメージが強いが、さまざまな現場で必要とされる職業という自負を持ち、「個人の性格や長所を発揮できる場がある」と力を込める。
○…コロナ禍を機に家庭菜園を始めた。夏場はゴーヤやピーマン、トマトなどを栽培。「土を触っていると癒される」と心休まる瞬間だ。「家庭のバランスがとれないと仕事もできない。家庭と仕事どちらも大事」。働く女性の先駆者として、道を切り開く。