平塚写真連盟の会長を務める 笹尾 敏子さん 平塚市松風町在住 81歳
粘り強さが良作生む
○…平塚市を中心に活動する7団体と個人会員で構成される平塚写真連盟は、会員相互の交流と写真技術の向上を目指し、合同例会や撮影会、写真展、セミナーなどを行っている。平塚市美術館で6月16日まで開催している平塚写真連盟展は、今年で53回目。「今年は初めて平塚学園高校の学生も出展している。他の学校も今後ぜひ参加してほしい」と若い世代に呼び掛ける。
○…埼玉県出身。両親の影響で、幼い頃から美術や音楽などに触れる機会が多かった。「ピアノやバイオリンも習っていたけれど、写真を撮るのが一番好きだった。家族写真や修学旅行時の写真撮影を任されていた」と振り返る。結婚を機に平塚へ移り住み、子育てが一段落した40代後半に、写真教室で本格的に撮影の基礎を学んだ。「良い写真を撮るためには、粘り強さが必要。私は一切苦にならない」と写真への愛を語る。
○…持ち前のセンスと探求心を武器に、120点以上の作品で受賞を重ねた。2017年には、「日本の自然」写真コンテストの一般部門で最優秀賞を手にした。受賞作の被写体となったアオサギを撮影するため、大磯運動公園貯水池を3カ月間にわたり計35回訪れ、「卵の時から子が巣立つまで追った」という渾身の作だった。
○…20年前に夫を亡くし、現在は2匹の猫と暮らす。「おしゃべりの相手になってくれている。年賀状はこの子達の写真」と優しい眼差しを向ける。お気に入りの撮影スポットは平塚海岸といい、「2年前に冬の渡り鳥・ミユビシギを見てから、日の出の時間に通うのが日課になったの。なかなか見られない鳥だけれど、また撮影したい」。写真への一途な思いを原動力に、最高の一枚を追い求める。