医療法人徳洲会湘南大磯病院の看護部長・石山圭子さん(64)がこのほど、第59回神奈川県看護賞を受賞した。同賞は長年にわたり県内の保健師、助産師、看護師等として顕著な業績をあげた人を表彰するもの。
石山さんは看護管理の役職に10年以上に渡って従事。地域の基幹病院として地域医療の推進に貢献したほか、看護学生の実習受け入れや、認定看護管理者として看護管理講師を務めるなどの後進の育成の推進が評価された。
石山さんは大磯町出身。東海大学医学部付属病院、同大磯病院に勤務したのち、2023年3月に徳洲会に事業継承した後も病院に残り、現在看護部長として看護部をけん引する。「地元ということもあり、大磯の人たちが病院の存続の形について不安を抱いていることは知っていた。この病院のことは隅々まで知っています。事業継承後も役割はあるだろうと残ることを決めました」と振り返る。
33歳の時、出産のため入院している間に、医師だった夫と音信不通に。夫が白血病を発症し、無菌室に入っていると知らされたのは出産後だった。約1カ月後に夫は逝去。悲しむ間もなく子育てに奮闘する中、心の支えになったのは、自らが看護師であることだった。「自立できる職業があることが本当にありがたく思えた」。4年間のブランクがあったものの大磯病院で職場復帰した。
「湘南大磯病院はベテランの看護師が揃い、みんな素晴らしい看護観を持っている」とほほ笑む。看護部の理念として掲げる「心温まる看護」には、患者や看護師、一人一人の人生を尊重し、理解しようとすることで、ほっとする瞬間を作っていきたいという思いが込められている。「人の人生や感情は奥が深く、複雑に影響し合っている。我々看護師が患者さんやご家族と向き合っていったときに、喜んでくれると、通じ合えたと感動できる。そんな瞬間を、若い世代にも味わってもらいたい」と話していた。
大磯・二宮・中井版のローカルニュース最新6件
|
|
|
|
|
呼び出しベルでオンリーワンに6月28日 |