脳を鍛えて認知症予防 中井の介護施設が講演会
介護老人福祉施設・中井富士白苑(中井町井ノ口)主催による特別講演会「アルツハイマー病をくい止めろ!」が5月24日、中井町の農村環境改善センターで開催された。講師は独立行政法人国立長寿医療研究センターの土井剛彦氏が担当。より効果的な予防法について話が進められた。
当日は近隣の自治会役員や民生委員、ケアマネジャーなど130人が参加。講演を前に、同施設で活躍中のコミュニケーションロボット「パルロ」が登場し、愛くるしい語り口で会場の雰囲気を和ませた。
主催者を代表してあいさつした稲生純也施設長は、認知症予防に向けた同施設の取り組みを説明。神奈川県とも連携しながら、先進的な運動プログラムの導入を進めていくと話した。
講師の土井氏は70〜90歳の軽度認知障害(MCI、正常でもないが認知症でもない状態)の人が適切な対処法により、2年後には30〜40%が正常な状態に戻ったというデータを紹介。「2日遅れの日記をつけたり、囲碁やチェス、楽器の演奏など、脳を鍛える方法で認知症の発症を遅らせることは可能」と、力説した。
認知症は治癒する薬やワクチンが開発途上にあり、進行を遅らせることしか手立てがないのが現実。そのため、土井氏はより効果的な予防策を講じることが最も重要と強調し、高齢者の認知機能を把握することを目的にした「脳とからだの健康チェック」と呼ばれている高齢者機能健診の受診を推奨した。
外出の機会を多くし、運動を習慣化させて持久力も高めれば、アルツハイマー型認知症の発症を未然に防ぐことができると結んだ。
|
|
|
|
|
|