大磯町教育委員会の教育長に就任した 藤家 崇さん 65歳
「考える力」を身に着けて
○…変化のスピードが年々加速する現代の社会に生きる子どもたち。「人生の道を間違えず進むために、『自分で考える力』を身に着けさせたい」と思いを語る。「知識だけを身に着けるのではなく、自分で考え、仲間と論議して問題を解決する。これからの時代を見据えた時に、そんな力が必要だと感じます」。穏やかな口調ながら、人生を捧げてきた教育の現場から肌で感じ取った確信があるからこその力強いメッセージだ。
○…大学卒業後、二宮中学校の教員として7年教鞭をとった。時代は高度経済成長期。海外で過ごし日本に帰ってくる子どもたちから「異文化に触れることで新しいタイプの子どもたちが増えるだろう」と次世代を読み、海外を知るためニューヨークの日本人学校でも勤務した。帰国後は町や県の教育委員会に所属し、二宮小学校と二宮中学校の校長も務めた。「教育の現場は子どもたちの反応がビビッドに帰ってくる。私も子どもに育ててもらったようなもの」と目を細める。
○…佐賀県生まれ。現在は平塚市在住だが、40年ほど前大磯町にも住んだ。「大磯には大隈重信をはじめ佐賀ゆかりの人も多い。自分につながりのあるところを見つけると、土地への愛着も増すね」と笑顔。「別荘地の歴史を今に伝え、豊かな里山もある。独特の文化や風土を感じますね」と大磯の印象を話す。
○…フライフィッシングが趣味で、在米時代は大自然に抱かれ竿を振った。「最近は丹沢の管理釣場が増えたなぁ」とつぶやく。ニューヨークの公園で知ったフランス生まれの球技「ペタンク」もお気に入り。「日本では馴染が薄いけど、海外では子どもたちも熱心にやってるよ」と身を乗り出す。40年連れ添った夫人とは今も一緒に出掛けることも多い。「遊び仲間みたいな感じ」とおどけるが「教育長になって忙しくなって、家事が手伝えなくて困ってるかも」と愛妻家の一面もチラリとのぞかせる。