小田原まちなか軽トラ市を主催する、ほっとファイブタウンの代表 平井 義人さん 平井書店 店長 49歳
こころに南風
○…エプロン姿がトレードマーク。書店に立つ姿は実直そのものだが、時折うかべる穏やかな笑顔がお茶目で親しみ深い。経営の傍ら、まちなかに賑わいをつくり出そうとコンサートや生産者による対面販売の「軽トラ市」を企画。地道に続けているプチ朝市は50回を超え、常連客が増えている。決して派手に振る舞うことはないが、小田原を盛り上げる中心人物だ。
○…緑一番街、駅前通り、小田原銀座通り、大工町、台宿の5つの商店会が集まる「ほっとファイブタウン」。13年前に発足し、3代目の代表を務める。「ほっとファイブタウンでつくった仕掛けを、お店に活用してもらえれば」と期待を寄せる。小田原駅から少し離れた生活圏が商いの舞台。還元サービスなどで無理をするとパフォーマンスが落ちてしまうが、価値が高ければ人で賑わう。着目するのは「お金がまわる」仕組みづくり。「地元には才能を持った人が大勢いる。様々な人を巻き込み、若者を抜擢してまちなかをステージにしたい」と意欲を語る。
○…家業の平井書店を継ぐ決心をしたのは32歳。防災メーカーの研究職からの転身だった。研究時代には無縁だった営業の仕事。思ったことを率直に言って失敗したこともあった。慣れない仕事に無我夢中で「正直、へこむことが多かった」と振り返る。そんなある日、喧騒を忘れ旅に出た。行き先は日本の西の端、西表島。青い空と海が広がり、マングローブの森で何もせずに過ごした。南風で心身ともに癒された瞬間だった。その後、西表島へは10回以上訪れており、伝統楽器の三線も習っているのだとか。
○…6月に結婚したばかりの新婚さん。慌ただしく時間が過ぎ、まだ新婚旅行に行っていない。「来年には一緒に西表島へ行きたい」と頬を赤らめる。自称「引っ張るタイプじゃない」が、気づくとリーダーに抜擢される人気者。こころに吹く南風が、周囲にも安心感を運んでくれている。
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