16日投票の衆議院議員選挙が即日開票され、小田原市を含む3市8町の神奈川17区は、自民党の牧島かれん氏(36)が9万8019票を獲得し、2度目の挑戦で初当選を果たした。次点はみんなの党の井上義行氏(49)。井上氏は5万5435票で、比例復活はかなわなかった。
河野洋平氏の地盤を受け継いだ牧島氏は手堅く組織票をまとめ、3年3カ月ぶりに自民党の議席を奪還した。開成町をのぞく3市7町で得票1位。小田原市では3万5141票を得た。
前回2009年の衆院選に続き2度目の挑戦となった井上氏は、比例代表(南関東)に望みをつないだが、惜敗率で及ばず、次点で涙をのんだ。
前職で民主党の神山洋介氏(37)は、前回選挙から一転して厳しい民主党の逆風にさらされ落選。労働組合などから支持を得るも厳しい結果を突きつけられた。元開成町長で日本未来の党から出馬した露木順一氏(57)は、開成町で得票1位など足柄上郡では善戦するも大票田の小田原市と秦野市で票が伸びなかった。
候補者5人中、3人が前回選挙に出馬。3氏の票を前回と比較してみると、井上氏のみ前回から票を増やし(1万1456増)、牧島氏は7787減、神山氏は9万3024減だった。
投票率は17区全体が60・64で前回より9・09%ダウン。小田原市は59・18%で、前回より9・18%減だった。
牧島氏「芯のある政治を」
神奈川県の小選挙区で自民党初の女性議員となった牧島氏。市内成田の選挙事務所には、約200人の支援者が集まり、午後8時すぎの速報で当確を知ると歓声が沸き起こった。河野洋平元衆院議長や加藤憲一小田原市長、守屋輝彦県議らが駆けつけ万歳が行われると、牧島氏は深々と頭を下げた。牧島氏は前回落選からの3年3カ月を振り返り、「多くの人から支えられて河野洋平先生の後継者として使命を果たすことができた」と謝辞を述べた。また、「ていねいに、まっすぐに政策を打ち出し、ぶれずに芯のある政治をしたい。教育、外交、安全保障、景気対策は当然、この地域にとっては観光が大きな政策となる。地域の魅力を世界へ発信していきたい」と意気込みを語った。
牧島氏はその後も続々と集まる支援者と握手を交わし、喜びをわかち合った。
各陣営の声
井上氏健闘見せるも惜敗
日付の変わった17日の午前3時。比例での復活当選を信じ事務所で待ち続けた支援者の前に姿を現したみんなの党の井上義行氏。「私の力不足、小選挙区では票を伸ばせたものの結局、小選挙区、比例ともに次点。本当に悔しいです。3年3カ月、精一杯頑張った。ゼロからのスタートを支えて頂きありがとうございました」と敗戦の弁を述べると、労をねぎらうかのように支援者から温かい拍手が送られた。今後については「正直、真っ白。今はまだ何もわからない」と語った。
神山氏逆風の戦に誇り
民主党で前職の神山洋介氏は選挙期間中、車に乗らず、ひらすら歩いて有権者と対話を重ねた。歩いた距離は250Km以上、40Km歩く日もあった。しかし、民主党への逆風に抗うことはできなかった。投票日当日の午後9時、事務所に姿を現し、潔く幕を引いた。肩を落とす支援者に神山氏は「顔を上げてもらいたい。逆風の中、これだけ戦うことができたことを誇りに思う。これで終わるわけではない。再出発のために、これからも力を貸してほしい」と頭を下げた。
露木氏自民復活に敗北
支持者と一緒に自宅前のテントでテレビの速報を見守っていた露木順一氏。午後9時45分頃マイクの前に立ち「地域から日本を良くするためには県西部から、と県知事選挙の後、ミニ集会などを重ねてきたが、自民復活の大きな風の中で立ちふさがれてしまった。働く場所が与えられないと果たすことができない。お応えできなかったことを切にお詫びする」と頭を下げた。
横田氏生活弱者のために奔走
横田英司氏は「支援者には申し訳ない。国民、特に生活弱者の声を届けたかった」と振返った。牧島氏に対し「国民の声をきちんと聞いてほしい」と述べた。
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