神奈川県は、相模トラフ沿いの地震など発生可能性の低い地震までを含めた津波被害想定を公表した。県西地域では、小田原市・真鶴町に津波が3分で到達。真鶴で16・5m、小田原でも11・9mとこれまでの予測よりも速く、大きな津波が押し寄せる可能性が示された。
県は、2011年の東日本大震災後、小田原市など沿岸部の13市町の要望を受け、12年3月に津波浸水予測図を公表。今回は、国の「首都直下火型地震モデル検討会」の見解を受け、「想定外をなくす」という考えのもと、昨年1月から進めていたもの。2月27日に公表された。
見直しは、相模トラフと呼ばれる、小田原沖の海溝沿いの地震など、発生間隔が「2000〜3000年あるいはそれ以上」とされる地震なども含む、9つの最大クラスの地震を対象に行われた。
県西地域の津波被害想定は、江戸時代(1703年)に発生した元禄地震と「神縄・国府津-松田断層帯」との連動地震。M8・5規模で、小田原で6・3m、真鶴で8・6mの津波が引き起こされるとしていた。 今回の見直しで、最も大きな被害が出ると想定されたのは、相模トラフ西側で発生したM8・7の地震。真鶴町(真鶴港)が16・5m、湯河原町が13・3m(吉浜)、小田原市が11・9m(国府津)とされ、県が12年に示した津波の大きさを大幅に上回った=上表。
「1分」で津波到達浸水エリアも拡大
津波の最大波の到達時間も、小田原市と真鶴町が3分、湯河原町が6分と、これまでよりも早く到達することが示された。小田原市内では、東町や浜町で最大津波到達が1分のところもあった。津波の浸水被害も小田原・真鶴・湯河原の1市2町で約2・7倍に拡大。小田原市内では西湘パイパスを超え、国道1号線やJRの東海道線よりも内陸まで浸水する可能性も示した。
小田原市では、東日本大震災以後、津波対策を強化。津波発生時に一時的に避難する「津波避難ビル」を指定、昨年12月時点で公共・民間あわせて82施設と協定を結んでいる。市防災管理部は、今回の見直しを受けて、津波対策は強化しており、大きく変わることは考えにくい、としながらも、今月末までに県から示される詳細なデータを踏まえて、見直しなどを検討していく予定。
なお今後の対応について県は各市町と連携し、津波ハザードマップの見直しや今後の対策を検討、「出来るだけ早い時期」に津波浸水想定図を公表したいとした。
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