熱戦が続く女子サッカーW杯。小田原には選手以外にも、サッカーに情熱を傾ける女性がいる。
早川SCの女性コーチ・中村望さん(25)は、練習では小学生とともに汗を流し、試合ではベンチから指示を送る。小学生の頃、早川唯一の女子団員だった中村さん。秦野曽屋高の女子サッカー部引退時に、早川の恩師・石井康之さん(41)から声を掛けられた。「女性が携われる場所がなかったから」(石井さん)。指導歴8年の中村さんは「実力はまだまだだが、続けていきたい」と前を見据える。
市内には女性審判もいる。早川在住の鈴木広子さん(43)は、6年前に審判資格を取得。小学生の公式戦でも、主審や線審を務める。「年々しんどくなってきた」と本音を漏らすが、今でも月8試合をこなす。小学時代にサッカー経験がある鈴木さんは、子どものチーム入団をきっかけに、不足していた審判を買って出た。「50までは続けたい」と意欲的だ。
女子中学生の環境整備へ
広がりを見せる女子サッカーだが、課題もある。市内中学校に女子サッカー部はなく、小学時から続けてきた白鷗中の寺澤美咲さん(1年)は、男子中心のサッカー部へ。寺澤さんは「クラブチームに行くほどの自信はなかった。男子のレベルは高いけれど成長できる」と話す。寺澤さんのように部で活動する例は珍しく、ほとんどが市外のクラブへ。小学生は地元チームで男子と一緒にプレーできても、中学生になると男女の体力差が開いていく。そのため、小学校卒業を機に競技をやめてしまう子どももいる。
そうした現状を打開しようと、市サッカー協会が動き出した。5月の総会の今年度事業計画に、『女子サッカーの組織体制づくりと活動推進』を盛り込んだ。「中学生の受け皿がないので、練習会や試合を今年度から始めていきたい」と杉山友一理事長(56)。協会では、小学生も含めた土壌づくりを進めていく。 (了)
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