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合唱の指導者として鶴川第二小学校を率いて全国大会銀賞に導いた 大塚 正夫さん 市内南鴨宮在住 80歳

公開:2015年11月7日

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児童の笑顔奏でるタクト

 ○…かつて、小学校教諭として率いた合唱団を全国大会で6度優勝に導いた。その手腕が評価され、傘寿を過ぎた今もなお、県内外の小学校で合唱の指導に携わる。そのうちの1つ、町田市の鶴川第二小学校が10月に開催されたNHK全国学校音楽コンクールで銀賞を受賞。快挙に、「曲を自分のものにして頑張った」と表情を緩めた。

 ○…「母はお琴を弾き、姉はNHKのど自慢で優勝して地元では有名人」。音楽好きな家族に囲まれて育った影響もあり、小田原高校卒業後は国立音楽大学へ。中学と高校の教員免許を取得するも、選んだ道は小学校の助教諭。背景には、当時県内で中学2年次に課せられていた高校入学判定に反映されるアチーブメントテストへの抵抗感があった。実技科目も筆記で行われることに、「シャープやフラットの意味を覚えて点を取るのが音楽じゃない。大切なのは感性や表現力」。そんな折、音楽に重点を置いた教育に取り組み始めた大磯小学校から受けた誘いに、「中学入学までにその楽しさを存分に教えたい」と断る理由はなかった。

 ○…「学校づくりでも日本一を目指さないか」。大磯小学校の合唱団を幾度も全国の頂点に導き、音楽科教諭として脂がのっていた1982年、校舎建て替えにあたり町の教育長から依頼された。早速、教室の壁を取り払うことを提案。当時としては斬新なレイアウトも、「教室をオープンな空間にすれば、担任以外の目も児童に行き届く。誰にもある良い所を複数の目で見つけ、たくさん褒めたい」との思いから。学年ごとに設けたフリースペースにはピアノを置き、いつも音楽に触れられる環境も整えた。

 ○…教え子達と集まると、「『先生の指導は大学の勉強より難しかった』と笑い話になる」と目を細める。今も一日5時間以上タクトを振ることもあるが、「音楽まみれの生活は疲れない。もっと多くの子どもにその楽しさを伝えたい」。

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