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小田原・箱根・湯河原・真鶴 社会

公開日:2017.05.13

曽我兄弟の魂、永遠に
傘焼きまつりが60回の節目

  • 当初の傘焼きまつりの様子

  • 曽我物語の稽古に励む児童たち

 曽我の里を舞台に曽我兄弟遺跡保存会および地元の有志らによって受け継がれてきた「曽我の傘焼きまつり」が60回の節目を迎える。今年は5月20日(土)、21日(日)に開催され、従来の伝統行事に加え、学術的な視点から「曽我物語」の理解を深める記念講演会も企画されている。

 日本三大仇討ちの一つ「曽我物語」。曽我十郎、五郎が父の仇を討つ為に傘を燃やし、松明代わりにしたという故事にちなみ、受け継がれる傘焼きまつり(2011年は東日本大震災により自粛)。おだわらのまつり五〇選、かながわのまつり五〇選にも選定されている。「寺では傘焼きまつりは法要として実施されてきている。6本松から松明行列の明かりは幽玄で素晴らしかった」と振り返るのは遺跡保存会10代会長を務めた山本秀典さん。

 1993(平成5)年の八百年祭時には、横綱・曙関や人気歌舞伎役者も来場。歴史に花を添えるパレードには、人気者の姿を一目見ようと下曽我駅前通りが無数の人で溢れたという。

受け継がれる伝統と文化

 3年前から下曽我小学校では遺跡保存会の協力のもと、「曽我物語」を学ぶ授業が行われている。受け継がれる歴史学習の成果は段ボールで製作した甲冑を児童が身にまとい、演劇として20日の午前9時45分から梅の里センターで披露される。今年は烏帽子、刀、弓などの小道具も揃った。

 記念講演会も20日に同センターで実施される。参加無料。当日は小学校教諭で二宮町史特別執筆委員などを務める島崎直人氏が兄弟の菩提を弔う「虎御前」の姿を追い、歴史学の視点からひも解く。

 また、東海大学文学部日本文学科非常勤講師の早乙女牧人氏が「真名本」「仮名本」などに残されている和歌をもとに「曽我物語」や「十郎と虎の悲恋物語」を解説する。島崎氏が午前10時30分〜、早乙女氏が午後1時〜。傘焼き行事は20日が午後8時から、21日が午後1時から。会場は両日とも梅の里センター。講演会の申し込み、催しの問い合わせは事務局の佐宗さん【電話】0465・42・0645または同会の鳥越会長【電話】090・8316・1729。

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