ビルマ(現在のミャンマー)へ派遣された日本兵が、終戦後も帰国せずに仲間を供養し続ける姿を描いた竹山道雄の小説『ビルマの竪琴』。ストーリーで象徴的な存在として登場するビルマ製の竪琴が8月13日、久野の潮音寺に寄贈された。毎年8月に戦没者を供養する平和観音祭が行われる寺で、今後は戦争や平和を考える象徴として役立てられる。
カブトムシの角のように湾曲した形状が特徴的な木製の竪琴。色こそ褪せているが、優美な姿は健在だ。
寄贈したのは久野在住の西山喜誉志さん(79)。日本航空に勤務していた西山さんは1975年2月、ビルマへの政府の遺骨収集団派遣に、チャーター機の整備士として帯同した。滞在期間は約1週間。白い布に包まれた遺骨や機関銃の残骸を機内へ積み込む作業も手伝った。
渡航前に小説『ビルマの竪琴』を読み、「えらく感動した」という西山さん。滞在記念として竪琴を購入したという。
平和考えるきっかけに
東堂(引退した住職のこと)の安藤康哉(こうさい)さん(85)の兄・光重さんは太平洋戦争で戦死。部下を思う光重さんの遺言により境内には平和観音像が建てられ、毎年8月13日には戦没者の慰霊祭が執り行われている。
この夏、康哉さんが光重さんの遺品を整理していた際、たまたま小説を見つけた。「これも何かのご縁」と考えた康哉さんは、改めて戦争について考える機会を設けようと、終戦から42年を迎えた8月15日に映画『ビルマの竪琴』(85年版)の上映会を企画した。
これを知った檀家の西山さんは、「映画と同じものではないが、ビルマの竪琴を目にする機会は少ない。多くの人に見てもらい、平和を考えるきっかけになれば」と寄贈した経緯を話す。住職の安藤嘉則さん(59)は、「戦争を知らない世代がどのように語り継いでいくかは大きな課題。そのうえで、竪琴は一つの象徴になる」と感謝していた。
寺ではビルマの竪琴(1956年版)の上映会を10月8日(日)に開催。竪琴も公開する。先着50人。(問)【電話】080・5450・2708
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