全国かまぼこ連合会が主催する第70回全国蒲鉾品評会で、市内浜町の株式会社丸う田代と本町の株式会社田代吉右衛門本店(鱗吉)が、最高賞の農林水産大臣賞を受賞した。
品評会には全国の水産ねり製品製造業者約200社から、6部門約900点が出品。東京海洋大学品川キャンパスで3月1日、大学教授ら5人によって選考された。丸う田代の「初代卯之助 かまぼこ紅白セット」は蒸し物の部門で、鱗吉の「伊達巻小」は卵黄物部門で、それぞれ頂点に輝いた。小田原蒲鉾の老舗が揃って受賞することはめずらしく、過去20年間に例はない。
創業当時の蒲鉾を再現
「初代 卯之助」は創業150年に向けた企画の第一弾で、創業者の田代卯之助がつくった蒲鉾の復刻版。添加物を一切使わず、昆布と鰹節の煮だし、砂糖、塩、みりんで魚の旨みを引き出している。また、卵白を入れずに弾力のある食感を実現させた。田代勇生社長(63)は「試行錯誤をかさね、こだわってつくった製品が評価されてうれしい」と話す。
丸う田代では一昨年に君まき「二代目 永之助」を、昨年末に伊達巻「三代目 政吉」を発売。今年は四代目勇輔の角板を企画している。
想像を超えた感動をめざす
創業237年の鱗吉は、魚のすり身を板にのせた「小田原かまぼこ」の発祥の店。田代守孝社長(42)は「長年、ものづくりに真摯に向き合ってきた姿勢が評価されたのだと思います」と受賞の喜びを語る。厳選されたグチのすり身でつくる伊達巻は、滑らかな舌触りと重量感が特徴。「日本一のきめの細かさ」にこだわり、20年以上改良を重ねている。「受賞を励みに、すべての品が想像できる味を超え感動できる、心躍る品に昇華できるように取り組みたい」と意気込みを話した。
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