小田原で水揚げや取り引きされる地魚の消費促進や早川漁港周辺の活性化を目的とした「小田原地魚大作戦協議会」(田川修三会長)が5月16日、小田原市役所庁議室で設立式を行い、加藤憲一市長に報告した。
設立メンバーは小田原漁港周辺の鮮魚、飲食、卸業など30〜50代の若手水産関係者ら9人。
今年、市観光協会主催の食による観光振興のためのワークショップの中で、(株)リクルートライフスタイルじゃらんリサーチセンターの調査・報告によると、小田原に来た人の経験で最多が「小田原城に行った」。次いで「魚(かまぼこや干物などを含む)を買った・食べた」だった。さらに「観光地では肉より魚を食べたい」と考える人が多いという結果も出たが、観光客を相手に商売をする人も含むワークショプ参加者の約9割が漁獲量の減少、漁獲種・時期の変化、後継者不足などの現状に「このままではまずい」という危機感を持った。このようなことから諸問題の解決、未来の政策や展望を話し合い、形に変えていくために組織を設立。田川会長は「5年、10年後を見据えて何ができるかではなく、何をすべきかを念頭に置き、地域の方々や先輩方の助言をいただきながらアグレッシブに取り組んでいく」と所信を述べた。
「美味しいと楽しいが混在する地域に」
「小田原地魚大作戦」というユニークな組織名は、継続が大事と考えた設立メンバーらが「チャレンジ精神に溢れ、関わっている人たちも楽しみ、周りも巻き込んでいきたい」という思いから命名。
地魚グルメ、漁港グルメなどはすでに開発・提供しているが、「感じる・体験する」という分野はまだ伸びしろがある。「海と魚を中心とした”海なりわい”のなかで、美味しいだけではなく、もう一つそこに”楽しい”を感じられる地域にしたい」と田川会長は話す。
設立初年度の事業計画として季節ごとの「小田原地魚棒シリーズ」のリリース、「地魚セブン」といった地魚のキャラクター化や商品化、給食メニューの開発・提案、フォトスポットの作成、漁港特定地域の通りの名称の設定などを掲げた。
食べ歩きも視野に入れた地魚棒は、今年8月のみなとまつりを第一弾に、2019年5月のあじ地魚まつりまでに4回の発表を計画。設立式後にはサバとソウダガツオをメンチ状にして油で揚げたとろサバ棒とソーダ棒が紹介された。地魚棒の原材料は、季節に応じた旬の地魚にこだわって企画・販売。協議会は地魚を活用した「食」の商品開発とプロモーションに取り組んでいく。
また、19年5月の開業を予定している新港の小田原漁港交流促進施設について田川会長は「来年度は新港との関わり合いが重要になる。わかりやすいマップ作成や新旧双方の港でのイベント企画を考えていく」と話した。
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