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広澤榮さん直筆の脚本も 映画テレビ資料を市に寄贈

文化

公開:2019年2月23日

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資料を前に榮さんの思い出を語る厚さん(奥)
資料を前に榮さんの思い出を語る厚さん(奥)

 小田原出身の脚本家で東宝映画助監督の広澤榮さん(1924―96)の旧蔵資料が2月15日、長男の広澤厚さん(56)によって小田原市に寄贈された。加藤憲一市長から感謝状が渡された。

 資料は映画「サンダカン八番娼館」「七人の侍」「雪国」、テレビドラマ「水戸黄門」「大岡越前」の脚本や製作記録など422点。直筆の原稿や場面割りの他、俳優との書簡、映画「学校」の原作をつくるための取材写真もある。小田原空襲を描いたスケッチ帖や小田原のアマチュア劇団「こゆるぎ座」で上演した「天佑丸」「もうひとつの学校」の台本など、郷土に関わる資料も含まれている。

 戦争を題材とした作品や社会的弱者への共感、平和への願いを感じさせる作品を数多く手掛けてきた榮さん。厚さんは「立場の弱い人、庶民の立場に立って書くという姿勢は生涯一貫していた」と話す。また、信念に合わない仕事はすべて断っていたという。

 都内で生まれ育った厚さんだが、幼少の頃から遊びに来ていた小田原に対しては特別な思いがあるという。「文化を大切にしている小田原で、大切に使ってもらえたら」と話すと、加藤市長は「市民が間近で見られるよう、榮さんの偉業を生かしていきたい」と謝辞を述べた。寄贈された資料は、4月以降に市立図書館で一般公開が予定されている。

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