小田原市教育委員会は2月22日付で、寶泉寺(風祭)の「絹本著色 北条時長像」を含む3件を市指定重要文化財に追加選定した。
寶泉寺に所蔵される時長像が描かれたのは室町時代。時長は寺を創建した「開基」で、北条一族の肖像画としては、江戸時代のものを除くと希少性が高いという。
さまざまな日本中世史の研究によれば、時長とは北条早雲の孫にあたる人物で、父親は久野に屋敷を構えた北条幻庵。命日が同じことなどから、小机城(横浜市港北区)の城主で、若くして他界した「北条三郎」と同一人物とされる。
こうした出生についての見解が専門家の間では一般的だが、市は設置した説明板でも「おそらく」と表記するなど時長が北条氏の一門であることについて長く断定を避けてきた。しかし、今回の指定にあたって行われた事前調査で、学識経験者による文化財保護委員会が時長が北条氏の一族であることを確認。原宗寛住職(67)は「そのことが何よりも嬉しかった」と話した。
時長像は一般公開されていないが、毎年4月22日に行われる初代住職の法事「開山忌」の際に、午後の数時間であれば観覧できるという。
その他に追加されたのは上輩寺(酒匂)の「五輪塔群」、市郷土資料館所蔵の「和田家文書」。市重文は指定されると市から修繕費の補助を受けられるもので、新規分を含めて計115件となった。
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