聴覚や言語に障害がある人が、会話などの音声を介さないで119番通報できるシステムを、箱根町が導入した。スマートフォン等の画面操作で通報できるもので、10月1日から運用を開始する。
導入したのは「NET119緊急通報システム」でスマートフォンなどの携帯電話、タブレット端末で利用できる。対象は町内在住、在勤、在学者。県内では平塚市や厚木市等が導入済みで、他の市町も2020年度までに導入が予定されている。
町消防本部では、これまで聴覚障害者等からの通報はファクスで対応してきたが、同システムを利用すればファクスが使えない場所からも簡単に通報できるようになる。
スマートフォンでの通報手順は、システムを起動して画面に表示される「救急」「火事」「その他」から該当するものをタッチ、続いて通報場所の「自宅」「現在地」、救急の場合は具合が悪いのが「自分」「自分以外」を選択してから「通報」マークをスライドすれば通報完了となる。外出先でもGPSで利用者の通報位置が確認でき、通報後はチャット機能による文字で会話も可能だ。
システムの利用には事前登録が必要で、氏名や住所、性別のほか血液型や持病、かかりつけの医療機関等も登録できる。
町消防本部では9月20日、事前登録説明会を開催。参加した83歳の女性は持参したスマートフォンで登録を済ませた後に通報操作を体験し、「今晩から安心して眠れる」と笑顔を見せた。
運用開始後は、他市町村で同システムに登録した人が箱根エリアで発信した通報も、町消防で受けられるようになる。
関田和明消防長は、「地域住民の安全安心に加え、箱根を訪れる皆さんが安心して観光や宿泊ができる体制づくりを進めたい」と話した。システムの年間事業費は約300万円。
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