小田原の松原神社の例大祭を題材にした小説『鳳凰の羽(つばさ)』を出版した 山口 仁さん 小田原市堀之内在住 50歳
祭りに注ぐ熱意と愛情
○…「小田原には独特な祭りの風習が残っている。その魅力を多くの人に知ってほしい」。その一念で今年、自身初の小説『鳳凰の羽(つばさ)』を上梓。「松原神社の例大祭は幼い頃から身近な存在だった」といい、これまでに神輿、木遣り唄、笛、太鼓など、ほぼすべてを経験してきた。精通しているからこそ緻密に描写されており、読者からは早くも「次回作も読みたい」との期待の声が届く。
○…「海外に行くことが好き」で、本職は外国人技能実習生の雇用促進などをサポートする「フォーラム事業協同組合」の理事。中国、ベトナムなど国内外を飛び回る多忙な日々を過ごす中、仕事の合間に処女作を書き進めた。「移動中の電車の中でパソコンを開いて書くこともあった。3カ月を掛け、今年1月に書き上げたが、その後の文章校正が本当に大変だった」。元国語教師らの助言を受けながら、7月にようやく本として完成した。
○…生まれも育ちも小田原。2児の父で、現在は妻と娘、愛犬2匹と暮らす。武道にも造詣が深く、「心身を鍛えて強くなりたい」と城山中学1年のころに始めた少林寺拳法は、現在6段の腕前。「少林寺拳法 小田原道院」の道院長も務め、週2回、子どもたちの指導に汗をかく。父の影響で幼いころから習い始めた2人の娘たちにも、常に愛情深く、拳法を教え続けてきた。
○…初の著書を書店で販売したところ、すぐに完売。追加で納入するほど人気となっている。「最後のシーンでは涙が止まらなかった」。読者から届いたその言葉に「筆者として、この上ない喜び」と笑顔で語る。「第一作を超える作品を書くのは大変だろうけど、良い題材があればまた書きたい」
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