今夏の高校総体でも全国にその名を轟かせた相洋高校陸上部。記録ずくめの夏を終え、世代交代真っ只中の秋、そして強化の冬へ―。それぞれの今を追った。
総体でリレー2冠を果たした女子チームの目標は一つ。エース高島咲季さんら実力者が揃う3年生と新戦力で挑む最後のレース・日本選手権で、同校が持つ県高校記録を塗り替えることだった。
総体メンバーの小川ひかりさん(3年)、石川優さん(2年)、高島さんに、1年生の鶴澤亜里紗さんを加えた布陣で挑んだ4×100mリレーでは大学生ら相手に奮闘。予選で45秒43を叩き出し、総体でマークしたばかりの県記録を0秒02上回った。決勝では5位に入るも「目標は45秒を切ることだった。決勝でタイムを上げる力がなかった」と一様に悔しさをのぞかせた。
個々は台頭も底上げが課題
「リレーの相洋」と言われて久しい同部。代々受け継がれるバトンは常に鞄に忍ばせ持ち歩き、丁重に扱うことで「つなぐ意識」を共有している。U18女子200m制覇、その後100mでも県記録を更新し勢い増す新主将・石川さんをはじめ、個々で頭角を現してきているが「伝統を途切れさせる訳にはいかない。リレーで勝ちたい」(石川主将)と危機感を露わにする。
新チームが始動した男子も高橋悠斗さん(1年)、阿部隆佑さん、小田佳喜さん、松元一心さん(2年)で臨んだ北九州カーニバル高校4×100mリレーで41秒48を記録して優勝。幸先の良いスタートを切った。今後レースのない冬場は、体づくりや一人ひとりの課題に取り組める機会。飛躍の春にするため、冬季練習で徹底的に追い込む覚悟だ。
東京五輪へ旅立ちの時
そんな後輩たちをリードしてきた3年生はそれぞれの道へ歩き出している。日本選手権や世界陸上で活躍したクレイアーロン竜波さん(3年・800m)と高島さんは神奈川スポーツ大賞を受賞した。参加標準記録まで1秒39と迫るクレイさん、4×400mリレーでの出場を目指す高島さんと、共に東京五輪を狙える位置につけており、小田原発のオリンピアン誕生に期待も高まる。
高島さんは青山学院大で競技を続け、クレイさんはアメリカの強豪・テキサス農工大への進学を予定。来秋の渡米までは慣れ親しんだ城山競技場から五輪を目指す。「人として成長できた」(クレイさん)相洋での3年間。後輩へ「応援される選手になって」(高島さん)と思いを託し、次のステージへ。旅立ちの時を迎えようとしている。
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