江戸時代から戦前にかけて、大漁を祝う漁師たちが参詣時に着た晴れ着「万祝(まいわい)」が復活した。小田原かまぼこ通り周辺地区歴史的資源保全活用事業実行委員会による事業で、1月19日、松原神社でお披露目式が行われた。
万祝は網元が絵師・染物屋に依頼して作る、長半纏を染め上げたもの。漁師たちが1年を共に生き抜いてきたことへの感謝や翌年の無事を祈る思いが凝縮されている。柄は黒潮を表す藍色。鶴や漁の様子などが描かれているものが多い。
これまでも魚がし山車小屋修景、松原神社御神庫修景に取り組んできた同委員会では、文化継承と観光の活性化を目的に、公益財団法人東日本鉄道文化財団地方文化事業の支援を受け、万祝の製作を進めてきた。現在、万祝の伝統技法を受け継いでいるのは千葉県鴨川市の2軒のみとなっており、今回は鴨川萬祝染元鈴染に依頼して4着を製作した。
お披露目式には同委員会をはじめ、松原神社明神會のメンバーも集まり、万祝の復活を祝った。地域の人たちや観光客に見てもらえるよう、1着を松原神社の境内に常設展示。田代守孝委員長は「観光の回遊促進につなげるよう、数カ所に設置を進めていきたい」とあいさつした。加藤憲一小田原市長は「海の活力、それを支える神社の活力を表すシンボル。多くの人に見ていただけたら」と期待を寄せた。
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