神奈川県西地区リハビリテーション連絡協議会の有志が取り組んでいる小田原駅周辺のバリアフリーマップ作りが2月3日、「第12回神奈川県バリアフリー街づくり賞(ソフト部門)」の受賞団体に決定した。スマートフォンアプリ「WheeLog(ウィーログ)」と連携し、車いす利用者の生の声を反映させたマップが反響を呼んでいる。
同賞はバリアフリー・ユニバーサルデザインの普及啓発を図り、活動している個人や団体を表彰するもの。同協議会で主体となるのは、初鹿真樹さんら6人の作業療法士たち。「患者たちに『外に出かけてみたら』とは声をかけてきたが、実際にどうなのか気になって」と自分たちも車いすで小田原の街を歩いたことがきっかけだった。城下町ということもあり、石畳などで通りにくい道もある一方で、車いすでも入りやすい工夫のある店もあった。「事前情報があれば、出かけるきっかけになるかも」と思い立ち、小田原で毎年開催されているリハビリに関する交流の場「リハビリフェスタ」の一企画として、2017年に実地調査を行った。
車いすユーザー4人を含める26人で小田原駅周辺を歩き、建物や、店舗の出入り口の段差の高さや、多目的トイレがある場所をピックアップ。車いすでも店員が対応してくれた店などをまとめ、A3二つ折りサイズの手書きマップを作り上げた。18年のリハビリフェスタで発表したところ、その反響に第2弾の製作を決めたという。
アプリ連動で最新情報も
そんな中、スマートフォンアプリ「WheeLog」と出合った。車いす利用者自身が実際に通ったルートやスポットなど、体験に基づいたバリアフリー情報を共有できるプラットフォームだ。お互いに持つ情報を共有することで「情報の精度を高められる」というアプリ製作者とのニーズも一致し、18年から共催での調査を開始した。市民も協力し「エレベーターあり」「車いすの常連客もいるらしい」などアプリの情報を落とし込んだ第2弾のマップが19年春に完成した。「紙のマップは、誰もが気軽に手に取れることが魅力」と初鹿さん。
現在は、今年3月に完成を予定している第3弾に向け、情報をまとめている真っ最中だ。「継続的に実施していきたい」と思いを込めた。
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