新型コロナウイルス感染症の影響で、テレワーク需要や地方回帰の気運が高まるなか、働き方や暮らし方を見直すことで、小田原に新たな価値をもたらそうとする企業の取り組みが始まっている。
本町にオープンした「アドレス小田原A邸」を運営する株式会社アドレス(本社/東京都)は、空き家やホテルなどを改装した国内60カ所の家に、定額で住めるサービスを展開している。会員登録すると、専用ドミトリーのベッドを契約でき、共同オーナーとして他の家の個室も予約利用できる。テレワークの増加や都心のオフィス閉鎖が相次ぐなか、会員数は5月単月で1月の3倍に。小田原A邸は5月初旬のオープン後、8つの専用ベッドの契約がすぐに結ばれ、2つの個室の稼働率も高いという。
都内のIT企業に勤める長尾周一さん(26)は、小田原A邸の専用ベッドを契約している1人。テレワークをきっかけに都内の住まいを解約し、拠点を小田原に変えた。「いきなり移住することには抵抗があるが、都市と行き来できる暮らし方ができるのが魅力」と話す。アドレスでは家ごとに「家守(やもり)」と呼ばれる地元の世話役が置かれており、「家守さんを通じて地域を知り、活動にも参加していきたい」と長尾さん。家守の平井丈夫さんは「”住む”と”観光”の間のような新しい暮らし方。小田原は都心からのアクセスが良く、自然豊かなので人気なのでは」と話している。
職住近接で地域活性化
小田原市栄町に本社を置くIT企業のHamee(株)では、社員の9割がテレワークをする一方で、社屋との職住近接を推奨。5月から小田原周辺に住む社員に対して月2万円の「小田原手当」を新設した。現在、本社在籍社員の約半数の97人が対象となっており、6月入社の2人が引っ越しを予定している。
担当者は「オフィス不要論が注目されている今こそ、オフィスの存在意義を高めたい。自然あふれる小田原で社員同士の一体感のある組織づくりを図りながら、地域活性化にもつなげていけたら」と話している。
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