2021年夏に延期となった東京オリンピック・パラリンピック。陸上男子800mでの出場を目指すクレイアーロン竜波選手(相洋AC所属・18)が、緊急事態宣言解除後、再び小田原に戻ってきた。
今春、相洋高校を卒業後、半年間は母校に新設されたチームに属して五輪に挑戦し、秋に米国の大学へ進学する予定だったクレイ選手。だが新型ウイルスの拡大を受け「目標に向け調整してきたスケジュール、リズムが崩れた」。最大のターゲットである五輪は延期。「仕方がない」としながら「気持ちの面でも仕切り直し。1年は長いですよね」とつぶやく。
緊急事態下では練習場所の確保も難しく、地元藤沢の砂浜を走るなど「できる範囲でトレーニングを重ねてきた」という。6月15日からは同校陸上部も活動を再開し、ようやく後輩と共に練習に打ち込む日々が戻った。「一人でやるのとチームメイトと一緒に走るのは全然違う。何より楽しい」。学校の坂道を活用した走り込みには「久しぶりに、きついっす」。汗をぬぐう表情は、どこか楽しそうだ。
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後輩たちの大きな目標である高校総体(IH)の中止を受けては「IHがあって今の自分があるといえるほどの大会。後輩には声をかけられなかった」と明かす。だが気丈に前を向く後輩の姿を頼もしそうに見つめ「一緒に頑張ろうって、高めあって走れたらいいなと思う」。
自身も五輪出場に向けた再調整を余儀なくされ、今秋の渡米に関しても情勢は流動的だ。だが「(延期は)プラスとマイナス両方ある。1年余裕ができ、まだまだ鍛えられると捉えたい」。「今出来ることをコツコツと重ねていきたい」と紡ぐ言葉には、高校生の時から変わらない謙虚さとまっすぐな思いが滲み出ていた。
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