新型コロナウイルス感染拡大の影響で、県西各地の小・中学校で修学旅行の延期などが余儀なくされている。県教育委員会によると、公立小・中学校での修学旅行の開催の判断は、各校などに委ねるとしている。小田原市、箱根町、湯河原町、真鶴町の現況を聞いた。
(6月23日起稿)
文部科学省によると、修学旅行はただの観光旅行ではなく、学習指導要領で特別活動の一つとして位置付けられている。学校生活での大きな楽しみにしている児童・生徒も多いとみられ、小田原市では例年、小学6年生が栃木県日光市、中学3年生が京都府などの関西方面を訪れている。
小田原市教育指導課によると、5、6月ごろに予定していた公立小学校25校の修学旅行は今年度、12月などに延期し、いくつかの分団にしての実施を検討しているという。
市内11の公立中学校では、多くが高校入試終了後の2、3月ごろ、京都府など関西方面への修学旅行実施を検討。中には8月末から9月にかけ、群馬県などへの旅行を検討している中学校もある。ただこの学校では、新型コロナウイルス感染への懸念から、参加を辞退する生徒が多い場合も想定し、今後、保護者会などを通じて協議を重ねて判断したいとしている。
3町の対応
箱根町、湯河原町、真鶴町の各小・中学校では5、6月に日光市(小学校)や京都府、奈良県(中学校)などを予定した修学旅行をいったん取りやめ、時期と場所は未定ながらも延期して実施する方向で現在検討している。真鶴町教育委員会の担当者は「旅行先の選定、世の中の状況など、さまざまな観点を見据えて決めていく必要はあると思うが、子どもたちの思い出づくりのためにも実施したい」と話す。
安全対策を周知
コロナ禍の中、修学旅行の安心・安全な実施を目指し、(一社)日本旅行業協会は6月3日、「旅行関連業における新型コロナウイルス対応ガイドラインに基づく国内修学旅行の手引き(第1版)」を公表。児童・生徒、教職員向けには、具体的な対策として「旅行中の感染予防の行動、手洗いや咳エチケット、乗り物乗車中や食事中、大浴場利用中の会話を控えるよう事前指導をする」「出発前に児童・生徒の体温・体調チェックを行う」などを示している。
文科省は6月4日、同手引きを参考にするよう全国の教育委員会などに周知。旅行事業者などと連携し、感染症対策に徹底してほしいと呼び掛けている。
地域の学校関係者からは「第2波、第3波などの状況により実施が可能かどうかを判断するなど、クリアしなければならない課題は多い。不安を感じている人もいると思うが、修学旅行に行きたい子どもは多いはず。安全に配慮して検討したい」などの声が上がっている。
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